田舎で初猟のことなど−2

二人で宴会をしていた夜の11時。
鹿がくくりわなに掛かりました。

くくりわなに掛かった鹿くくりわなは右前足に掛かるのが理想といいます。
ワイヤーロープが掛かった足は鬱血して食肉に適さなくなるからです。左前足だと心臓からそのストレスが全身に廻りやすくなり後ろ足だと大きなもも肉がダメージを受けるということです。
その理想的な右前足に掛かっていました。

ワナを仕掛けてから6時間後に捕らえたわけでこの短さはどれだけ鹿が用心していないかということになると思います。

さあここからが大変です。
二人は長靴を履き、レインコートを着てマダニに備えます。
掛かってしまったら殺すしかありません。
分かっていたことですが実行するには心を決めてかかるしかありません。残酷なことをしなければなりません。

鹿は私に殺されました。

滑車を用意した流しに引きずっていき二人で吊すのですがその重かったこと。

そして解体。
腹を割き内臓を出しました。
家庭用の包丁でしかも切れ味が悪かったので手際がさらに悪くなりました。
重たい内臓がずるっと落ちてきます。大きな灰色の袋がなんだか分かりませんでした。牝鹿だから子供が入っているのかと思いました。胃袋のようでした。
切れない包丁で解体を進めました。とろとろのコラーゲン状のものに肉が包まれていました。
首、前足、後ろ足と5つに分けました。背ロースと内ロースを取り出しました。
心臓と肝臓を取りました。

首を埋め、内臓を埋めました。
皮を何とかしたかったですが時間が無いので埋めることにしました。

とうとうやりました。
やってしまいました。

人の勝手で増えてしまって鹿にとっては何の罪もないのに一方的に害獣だ駆除だということになりました。
しかし、何とかしないと森林の崩壊に繋がるというかすでに崩壊してしまったところもあるくらいにその食欲は旺盛です。

自分がやってやろうという気持ちで狩猟免許を取りましたが、自分がやらなければならなかったのかという気持ちが今します。

でも自分がやらなかったらだれもしないだろうし、自分がやったことで他の人も出来るんだと思ってやるようになるかもしれませんとも思います。

いずれにしても一頭の鹿の命を取りました。

反省は、もっときれいに肉を取ってあげればよかったと後悔しています。
でも少ない日数のなかでのことで時間がなかったことでもあるし仕方ありません。
皮もなめして毛皮にしてあげれば良かったし、ちょっと残念に思えます。

鹿の背ロース背ロースです。
すぐに焼いて食べてみたら固かったです。
臭みはまったくありませんでした。
一週間ほど冷蔵庫に置いてからの方が柔らかくておいしく食べられるようです。

鹿の心臓心臓は旨かったです。塩胡椒をして弱火でゆっくり焼きました。

後は美味しく料理して食べてあげることが供養と思います。

先月飼っていた猫が死にました。深大寺で火葬してあげました。人の火葬となんら変わることがありませんでした。
この鹿は突然捕らえられて殺されて解体されて食べられました。
牛や豚や鳥は解体されてきれいな切り身になって店に並ぶために買われています。

人はなんと身勝手な生き物でしょう。

昨日、デパートで買い物をしていたら包丁を見ました。
この包丁があればもっときれいに肉を取ったあげられたのになあ、と思うのでした。もう2度とやりたくないと思っていたのに。

 

 

 


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